アプリケーション・システム設計班の紹介

専用システム設計

専用システム設計班はアプリケーションに特化した効率的なシステムに関する研究をしています.

超解像処理

地上デジタルテレビ放送に対応したテレビは高解像度のパネル(2K,4K,8K)を使用しています.しかしながら,高解像度のパネルはフルHD放送やBlu-rayのような高解像度の映像をきれいに映す反面,従来のアナログ放送やDVDのような低解像度の映像を単純に拡大して映すとぼやけてしまいます.そこで画像データを補間処理し,解像度を高めた映像を生成する技術を超解像処理といいます.本研究室では超解像処理を実現するシステムの設計を研究しています.

超解像処理

グリーンコンピューティング

スマートフォンの動作周波数は1.5Gzを超え,1秒間に15億個の処理ができるようになりました.しかし,我々がスマートフォンを利用するとき,早い人でも1秒間に4文字程度しか入力しませんし,さらにほとんどの時間はカバンやポケットの中にあります.それにも関わらず,スマートフォンは常に動作し続けます. グリーンコンピューティングの1つにノーマリーオフがあります.ノーマリーオフとは,コンピュータの使っていない部分の電源を遮断して省電力化することです.電源が遮断されてもデータが消えない不揮発メモリは,ノーマリーオフと特に相性がよいです. いま主流のメモリは,電源を遮断するとデータが消えてしまいまうため,ずっと電力を消費しています.カバンやポケットの中でも電力を消費しています.一方,不揮発メモリは電源を遮断してもデータは消えませんが,データを記録するときに大きな電力が必要です.本研究室では,お互いの短所を補い合うシステムの設計を研究しています.

グリーンコンピューティング

熱対策設計

携帯端末やパソコンをはじめとする電子機器の小型化・高性能化に伴い,機器内部の温度は上昇の一途をたどっています.機器内部の温度が高くなりすぎると電子部品の動作が狂い,熱暴走の危険があるため,内部は一定温度以下に保たれている必要があります.ひと昔前までは,様々な冷却技術を用いることで温度上昇の問題に対処することが可能でした.しかし今や,冷却技術に頼ってシステムを設計し,製品を製造するとなると,温度上昇を抑える冷却のために莫大なコストをかけなければなりません.このような背景のもと,本研究室では熱を意識してシステムを設計する「熱対策設計」の研究に取り組んでいます.この技術により,コストを抑えつつも信頼性の高いシステムの実現が期待されます.

熱対策設計

LDPC符号

LDPC符号は誤り訂正符号の一種です.無線LANや携帯電話などの通信品質向上,高速化には通信路で誤ったデータを受信側で正確に復号する必要があります.その誤り訂正能力が高いことで注目されているのがLDPC符号です.ソフトウェアで復号処理をすると遅いため,システムにて復号器を実装する必要性があります.本研究室では無線端末の移動による通信環境の変動に対応できるLDPC復号システムについて研究しています.

LDPC符号